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英国総選挙のお話(その2)

☆自由の目がテン( ´−`)

 最初に庶民院の院内勢力は次のとおり。

 保守党 (330) 50.77%
 労働党 (232) 35.69%
 SNP (56) 8.66%
 民主統一党 (8) 1.23%
 自由民主党 (8) 1.23%

 最新の世論調査はこちら
 https://jp.reuters.com/article/britain-election-poll-icm-idJPL3N1J505R

 Brexitの予想を当てたユーガブが、保守党の勝利をよそうしていること。他の調査でもサーベーションを除くと、同様の調査結果を出していることを踏まえ、可能性が高い順に選挙結果のシナリオを出してみる。

1.保守党政権継続
 テロ直後には政権への批判票が集まったが、Brexitリスクを言われながらも、英国は現在、米・日・欧と比べても好景気を持続しており、現政権の政策にも決定的な問題は見られない。労働党のコービン党首は若年層を中心に高い支持だが、それが労働党の候補者への投票には繋がらないと見る。

2.労働党・SNP連立
 労働党単独過半数は厳しいと思われるので、このシナリオを二番目にした。コービン党首は党内左派寄りであり、政権内での求心力が弱いこと。連立の条件として、スコットランド国民党が同地区に有利な政策を求めることになろうから、それをどう扱うかが課題となる。

3.大連立
 保守党と労働党の連立である。党の名前から見ると、日本で言う自民党と共産党の連立のように思えるが、現在両党が掲げる政策にはそれ程大きな差はない。今更労働党が「ゆりかごから墓場まで。」をやり始めることはあり得ない。どちらかと言うと、メイ首相とコービン党首の人間関係構築が課題だ。

4.少数与党
 保守党が過半数取れずかつ連立交渉も決裂した場合はこうなる。政局は不安定となり最悪のシナリオである。

 1.2.であれば、株高・ポンド高、3.以降であれば逆の動きが予想される。

 最後に投開票のスケジュール(いずれも日本時間)

 投票 本日午後4時~明日午前7時
 開票 明日午前9〜10時(これまでの例から)
 結果 明日12〜13時には大勢判明(予想)
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英国総選挙のお話(その1)

☆庶民と貴族( ´−`)

 あまり遡り過ぎると、書いているうちに選挙が終わってしまうので、そこそこに。英国議会には貴族院(上院)と庶民院(下院)がある。今回総選挙がおこなわれる庶民院の任期は、本来2020年までだったが、Brexitの移行手続きを円滑に進めるためメイ首相が早期解散を提唱し、野党労働党も合意した。庶民院解散には2/3以上の議員の賛成がいる。

 庶民と言っても、当初はいわゆる労働者階級ではなく、世襲貴族ではないブルジョアや騎士階級の代表だった。他国同様下院優越が定められている。英国は二大政党制だが、保守党vs自由党の構図は1918年総選挙までで、1922年選挙で労働党が自由党の議席を上回り第二党になった。それ以降は保守党vs労働党の構図に変わり、1945年に労働党政権誕生してからは、保守党と2〜3期で交代することが常となった。自由党は1988年に社会民主党と合併し自由民主党となった。

 2010年総選挙では保守労働の両党とも過半数を取れず、保守・自由民主党の連立政権が誕生した。しかし、自由民主党は社会民主党と合併後は中道左派よりの政策を打ち出しており、保守党との連立政権では公約反故かつ政権内での存在感も示せなかったため、支持を大きく失った。前回2015年選挙では、自由民主党の議席はスコットランド国民党(SNP)にも及ばず、第四党に転落した。

 前回選挙では保守党不利が予想されていたため、キャメロン首相(当時)が人気取り公約(と思う)として、選挙に勝ったらBrexitを国民投票に掛ける、と発言したことが後のしこりとなった。

 と、駆け足で前回選挙までを振り返ってみた。次項では今回の選挙の傾向と対策(ネタが古いぞw)を書いてみる。

クリントンと栗きんとん( ´−`)

☆想定外と想定内( ・o・)

 クリントン候補側は接戦州で票の再集計を求める模様なので、正式にはそれを待つ必要がある。ただ、2000年のブッシュ対ゴア事件のような泥仕合になると、政治不信が更に広がるため、ほどほどのところで手打ちとなると予想する。ご存じのとおり、今回の米国大統領選では、直前の世論調査の結果に反して、トランプ候補が当選を確実にしている。得票数の差は僅かであるため、接戦州での勝敗によってはクリントン候補が当選した可能性はある。

 http://jp.wsj.com/articles/SB10192246251775523818204582421722999803252
 9時過ぎから州毎の勝敗が報じられ、トランプがやや優勢だったが、共和党の勢力が強い州の票が先に開いたことから、マスコミ及び投資筋のどちらもクリントン有利の予想は変わらなかった。それが、11時過ぎからの速報でトランプ勝利が次々に伝えられると、投資筋はリスク回避の株売り・円買いに走り始めた。マスコミは直前の世論調査の結果を信じ、クリントンの勝利のシナリオを捨てきれずにいたようだ。

 12時過ぎから接戦州の多くでトランプ勝利が伝えられると、マスコミも接戦と報じるようになり、投資筋のリンク回避は加速した。日経平均は一時-1000円を超え、ドルストレートは最大4円値を下げた。Brexitと言い、今回の米大統領選と言い、他国のイベントなのに開場しているだけで、東京株式市場がファーストインパクトを受けるのは、理不尽である。話逸れるが、あのニクソンショックも敢えて米国時間の夜9時に発表したと言われている。

 13時半頃にはもはやトランプ勝利は決定的と見られ、いつクリントンが敗北宣言するか時間の問題と思われたが、ここから票がなかなか開かない(^▽^)。16時半頃、AP通信がトランプが過半数の276人確保と報じ、17時前にはトランプの勝利宣言が出て、開票は一旦クローズとなった。また、一部の州では開票が続いているため、クリントンは今日中の敗北宣言はしない模様だ。為替は、開票モタモタ(失礼<m(__)m>)の際に円の短期売りが入って、逆にドルストレートやクロス円が上昇する場面もあった。同時におこなわれた議会選では、先に下院で共和党が過半数を確保した後、上院も共和党が制した。

 政治経験がない大統領の誕生は、ブログ主の記憶が正しければアイゼンハワー以降久しぶりである。一番の心配は、予備選の頃から主張していた過激な政策を本気で実行するのか?という点だろう。そこは正直今のところ分からないが、今回、共和党が上下院を押さえたところにカギがあると思う。同党幹部も首をかしげるような無茶な法案が計上された場合には、民主党共々反対して通さないという選択があるということ。移民制限や税制改正については修正の上で通すが、Appleに海外製造をやめさせる、など有効性に疑問のあるものは否決するという具合だ。

 欧州タイム序盤は日本株ほどの下落は見られず、ダウ平均先物も下がって入るが、現在-300円台と日経平均ほどではない。日経平均先物も+400円台と日中の半分ほど戻している。為替はドルストレート、クロス円共に日中最安値から半値ほど戻している。まだNYタイムで荒れる可能性はあるが、Brexitショックで番狂わせに多少免疫が出来たと思えたりもする。

 ああ、明日人身事故が起きたら、恐らく株や為替で大損した人がマグロになったと、Twitterや2ch界隈で関連づけられるだろう。今日も昼間のワイドショーで木村太郎が「これで儲けている人もいる」など投資家叩きに聞こえることを言っていたのと同じ。大口投資家はリスクヘッジで損切りなりオプションなり入れるので大損するというのは考えにくい。

Brexitのお話(追記)

☆黙祷

 「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」ヴォルテールの言葉と伝えられる。

 
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-16/O8VIPI6VDKHV01
 http://markethack.net/archives/52012279.html

 被疑者が52歳男性で「ブリテン・ファースト(英国最優先を)」と叫んでいたという情報しか現在伝わっておらず、事件の詳細はまだ分からない。亡くなったコックス下院議員の選挙区ウエスト・ヨークシャーは、移民が多い地区であることから、被疑者が強い反移民の感情を持っていたことが想像されるし、銃撃後に刃物で刺していることから計画的なものとも思われる。2人のお子さんは日本で言えば小中学生の年齢だろう。突然母親を失った悲しみは計り知れない。

 この事件でこの2週間ほどのEU離脱派の優勢が大きく巻き戻されるだろう。移民排除を訴える右翼団体「
ブリテン・ファースト」と被疑者の間には恐らく関係はなく、一人一派の可能性が高いが、国民はそうは見ないだろう。本日の選挙運動は中止されるとのことだが、投票日の延期も含めた動きに注目したい。

 コックス議員には改めてご冥福をお祈りする。

Brexitのお話(その5)

☆まとめのまとめ( ´−`)

 ブログ主の文章力の無さから、長々と(その5)まで来てしまった<m(__)m>。

 英国人は真面目人間ギャートルズ(古w)なので、自分たちが出したお金(拠出金)が他国の負債返済に使われるのは納得行かない。これがギリシア問題の発覚で爆発したというところ。EU圏は不況だが自国は好況という点もEU離脱の後押しになっている。EU残留派は離脱した場合の経済的なデメリットを前面に出しているが、離脱派は分かりにくい数字・統計議論を避けて、移民問題で攻勢を掛けている。移民が流入することで今の好況が悪化する。ユー、今のうち、EUやめちゃいなよ?と訴えている。

 まあ、何と言うか、移民の発生は、2度の世界大戦後に中東諸国を独立させた際、欧米が自分たちに都合が良いよう(主に原油関係)に、国の境目を決めたことに大きな原因があると思うのだが、それはまたの機会に(^_^;)。

 国民投票まであと1週間となり、選挙戦はますますヒートアップしている。移民問題では仏経済相が「離脱したら移民ダム決壊させるぜぃ」と発言したと報じられた。離脱派のボリス・ジョンソン前ロンドン市長が「EUはヒトラーと同じ末路たどる運命」と、欧州でのタブーを破る発言をしている(公人がヒトラーについて言及するのは異例)。

 投票時間は7:00〜22:00(通常選挙と同じなら)。日本時間では翌24日の6時に投票終了となる。そこから出口調査解禁→開票の流れとなる。これまでの選挙の開票時間から、早ければ翌午前3時(日本時間翌午前11時)、接戦なら午前6時(午後2時)頃まで確定しないようだ。寝ずの番するには無理があるので、出口調査結果を確認したら昼前まで仮眠を取るのをお勧めする。

 最後の最後に投資家向け情報。英国関連の株・投信とポンド建て債券は基本的には事前に整理。為替は攻めるか守るかで分かれる。攻めるなら海外のハイレバ口座でポンド両建てだが、基本は守り。国民投票前々日までにポジション整理して、後は相場の流れに身を任せたい。

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