☆御用危機
「御用納め」は行政機関の休日に関する法律(昭和63年12月13日法律第91号)で定められたもので、官公庁は12/29〜1/3の間、原則として執務を行わない。地方公共団体や民間企業も基本的にそれに準じた休みにしている(小売り関係は別)。ちなみに、官公庁・地方公共団体には「盆休み」はない(夏休みはある)。
東京証券取引所は明日12/30が大納会、1/4が大発会になる。大発会は概ね株高傾向だが、大納会は銘柄によっては下がることもある。FXは基本的に1/1のみ休業で、正確には1/1の朝方まで取引可能だ。いずれにしても、年末年始は為替の動きが読みにくいので、余程のトレンドがなければ静観して、来年の投資計画を練るのが吉。
株式や投資信託の配当金(投信は分配金という)・譲渡損益、FXやCFD、先物取引の売買損益は、それぞれ取り扱いが違う。株式や投資信託の収益は、特定口座を設定し源泉徴収を選ぶことで確定申告が不要になる(所得税15.315%、住民税5%)。FXほかの売買益は一定の額を超えると確定申告が必要になる(税率同じ)。
(ここまでは分かりやすい)
株式などの譲渡益は申告分離課税を選択することが出来る。複数の証券会社での損益通算するためにはこの課税方法を選ぶ必要がある。配当金・分配金は、申告分離課税のほか総合課税も選択できる。総合課税の場合、株式10%、投信5%の控除が受けられるほか、他の所得が少ない場合税率も下がる。
(段々ややこしくなってきた)
しかし、申告分離課税を選ぶと、(加入している場合)国民健康保険の算定に影響し保険料が増える(申告所得額x1割は固い)。総合課税を選択すると、国保に加えて住民税も5%から10%に上がる。
(・・・)
収入の実態は変わらないのに、申告の有無や方法だけで税額が変わってしまうのを平等・公平とはとても言えない。ただ・・・昨日も書いたとおり、これを直そうとすると絶対に納税者が不利な方に統一されるのは明らかなので、この辺はしっかり税法を読んでおくのが吉。
FXの非申告基準は、年間65万円を超える給与・年金収入があるものは20万円、それ以外の者は38万円。パート収入65万円以下の人は給与所得控除を引くと所得0円になる。38万円のFX収益があっても基礎控除38万円を引くと0円だから、どのみち税金は取れない。それで申告不要ということだろう。20万円の方はそれに掛かる所得税は僅かで調べるのもめんどくさいから、どうでもいいや、ってところだろう。
FXの収益は申告分離課税の雑所得と見なされるので、上に書いたCFDや先物取引に損失があれば相殺(損益通算)出来る。今年残念ながら収支がマイナスになった場合でも、確定申告をしておくと、3年間は繰越控除が出来るので、めんどくさがらず税務署に行こう。取引に必要なパソコンやスマホ、ネット回線、家賃、光熱費(これは微妙)、セミナー参加費用も経費として計上が可能だ。ただし、パソコン5割を上限として、収益に見合わない経費を上げると税務署殿に目を付けられる恐れがあるので、控えめにしよう。
来月になれば、証券会社やFX会社から年間取引報告書的なものが届くので、それを見ながら早めの確定申告準備をお勧めする。
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